『聖夜の鎮魂曲』へのオマージュ

『聖夜の鎮魂曲』へのオマージュ

まめさんのイラスト作品『聖夜の鎮魂曲(レクイエム)』のオマージュ撮影をさせて頂きました。
『聖夜の鎮魂曲(レクイエム)』は、ガラスと花をテーマとした展示会で展示されていた作品です。
「死んでしまった恋人との永遠の愛の誓いと別れ」をコンセプトに、
2人の夢だった結婚式を静かに挙げている場面が描かれています。
椿の色が生と死を表し、生きている青年は赤、息絶えて間もない少女は赤から白へ変わる斑です。

展示会で初めてこのイラストを拝見した時、
青年の切なさ
少女の儚さ
ガラスと光の色
そして画面全体の美しさに
目を奪われました。
その感動を自分らしい形で残したいと思い、
写真で再現させて頂きたいとまめさんに相談しました。
ご自身の大切な作品を委ねて頂いて、まめさんには感謝してもしきれません。
また、少女役のNo.Aちゃんと撮影をして下さったゆうがさん、
この素晴らしいメンバーで取り組めたことも
本当に奇跡だったと思います。

撮影をすると決めた時、
描かれた二人の物語をもっと広げられたらいいなと
密かに思っていました。
まめさんの作品に対して、蛇足になってしまう心配もありましたが
素晴らしいメンバーのおかげで、とても素敵な世界に仕上がりました。
この写真はまめさんの作品を出来るだけそのまま再現したものになりますが
二人の物語を意識して撮影した、別の場面の写真もあります。
そちらも素晴らしいので、改めて発表したいと思います。

ずっと、絵と写真をもっと密接に繋ぐ事が出来ないかと考えていました。
今回その気持ちを形にできて、とても楽しくて幸せでした。

まめさんが生み出したこの二人の事を
まめさんの描かれる世界と
私が写真で表現した世界と
どちらも併せて楽しんで頂けたら、幸いです。


Model : No.Aちゃん & Pino
Photo by : ゆうがさん

夏に至る日

夏に至る日

眩しかった
空の青が
日輪の白が
どこかへ忘れてきた
あの日の笑顔が

今日は夏に至る日

目が覚めた
その時から
すべての景色が
忌々しいほどに
美しい夏の日

特別な夜が
やってくる。

***

ゆうがさん主催のガーデンパーティーで撮った
フィルム写真です。

夏は、緑が眩しいほどに美しいですね。

彼岸への誘い

彼岸への誘い

この時の写真は何度見ても、
私が私じゃないように写っている感覚があります。
撮って下さったゆうがさんとも何度も
「この時の写真好き!」って言い合っています。
残暑が厳しい日で、めちゃくちゃに良い天気だったのですが
それを感じさせない雰囲気や
少し枯れた彼岸花の色などが
大好きです・・・


Model : Pino
Photo by : ゆうがさん

DR

DR

この写真、宝石の国の世界観からは少しずれているけれど
1枚の写真作品としての完成度は
とても気に入っています。
植物の感じとか、奥の夕日の色とか。
もちろん、ルチルのコスプレ自体も頑張ったのですが。

自分が何を追い求めたいのか、
考えさせられる写真だなと思っています。


Model : Pino
Photo by : レギちゃん

アリスとイモムシの話

アリスとイモムシの話

「夜は眠りなさい」なんて、
もったいない!
月が笑って星は輝き、
暗闇はこんなに!
やさしいのに?

***

幼稚園の頃、お遊戯会で「不思議の国のアリス」をやりました。
もともと目立つのは苦手な子供でしたが、ディズニーのアリスが大好きだった私は、その時ばかりは勇気を出してアリス役に手を挙げました。
すると、さすがの主役に可愛い衣装・・・手を挙げたのは4人。
先生が困った顔をしました。
アリスが出来るのは3人までだったからです。
まだ決まっていない配役もありました。
「だれか、イモムシさんやってくれないかな?」
誰も、首を縦に振りません。
私は手を挙げた他の子を見て、みんな可愛くてアリスが似合いそうだと思いました。
しかし私は、自分に自信がありませんでした。
それに、早く誰かが折れないとこの時間が終わらないという子供らしくない気持ちもありました。
私が先生にイモムシ役をやると伝えると、先生は嬉しそうに「ありがとう」と言いました。
私はアリスにはならなかったのです。
それから、イモムシの役を一生懸命に練習しました。
イモムシの台詞は何だったか、もう忘れてしまったのですが、確か、「どこへいくの?」だったか「どこからきたの?」だったと思います。
とにかくいっぱい練習をして、緑色の衣装を着て、本番。
ステージの上で3人のアリスに、私だけのイモムシが話しかけます。
台詞は間違えなかったし、先生も家族も私の演技をいっぱい褒めてくれました。
それが嬉しかったのと、私は、あの緑の衣装が嫌いではありませんでした。

近頃、この時の事を良く思い出します。
今ではあの時、アリスをやらなくて良かったなと思っています。
あの時、アリスになる可能性もあったはずでした。
でも、私が選んで受け入れて努力したのは、同じ格好の3人のアリスではなくて、たった1人のイモムシ。
私は可愛らしいアリスには向いていませんでした。
でも、不思議なイモムシには向いていました。
被写体をするようになってから、その事を良く思います。
今も、たった1人のイモムシに拘っているのかもしれません。
懐かしさと同時に、なんだか妙な因果を感じます。

この写真は、Atelier Lapinusさんの企画に参加した時のものです。
「***の国のアリス」というテーマで、何の国かを自分で決めて、そのイメージに沿って撮影してもらうという企画でした。
私は、「夜の国のアリス」をイメージしました。
あのお遊戯会でアリスを選ばなかった私が、今度は私だけのアリスを表現する事になったのです。
イモムシでもアリスになれるのだなと、少し皮肉に、でもとても嬉しく思いました。
撮って頂いた写真を見たとき、やっぱり私はキラキラのアリスではなかったけれど、今はこれが私のアリスですと、胸を張って言えるようになったのだと感じました。
あの時の私に教えてあげたいです。
あの時のイモムシの私へ。
いつか、たった1人のアリスに成れるよと。

ルイス・キャロルが書いた「不思議の国のアリス」でのイモムシは、アリスに「君は誰?」と問いかけます。そしてアリスは、「自分が誰だか分からない」と答えるのです。
今も、私の中にはイモムシの私が居て「君は誰?」と問います。
そして、私だけのアリスが答えるのをずっと待っています。
いつかその答えが見つかるように、私は私の写真を撮って貰うのかもしれません。


Model : Pino
Photo by : yuiさん(Atelier Lapinus)